イントロダクション
どうもNSZ山本です。
ムルマンスクという街をご存知ですか。ムルマンスクはロシアにあります。
ムルマンスクってどこや
Мурманск(Murmansk)はロシア北部にあります。
距離はモスクワから1900km以上。
ここは旅客鉄道世界最北として知られています。
北緯で68.97度。
北極圏は66.33分以上。ムルマンスクは北極圏で夏は白夜の期間があるらしい。半端ねえ
冷戦時代は西側の市民が東側に行くのは困難だったので、ノルウェーのナルビクが事実上の最北でした。Narvikの北緯は68.44度です。
今は普通にロシアに行くことは出来るので、ムルマンスクが最北になります。
上のロシアの路線図によると。(上のリンクの’Октябрьская железная дорога’ の地図が対象地域です。)
ムルマンスクより更に北にНикель(Nikeri)という駅とか、Ваенгаという駅があります。旅客があるという噂もあります。
ひょっとしてニケリまで行けるんじゃないかと思ったんですが、駅の中で聞いてみたらバスで行けと言われました。ひょっとしたらよく言葉が通じていなかった可能性があります。線路自体はあるようなんですが、RZDの時刻サイトで調べるとやっぱり出てこないので旅客運転はしてなさそうです。次回行く時があったらもう少し真面目に調べてみたいものです。
ところで貨物で世界最北の鉄道となると、2010年に開通したロシア北極海沿岸にあるガス輸送線らしいんですが旅客以外なんで対象外です。
Obskaya–Bovanenkovo Line – Wikipedia
それはそれとして、
このムルマンスク。いったいどんな場所なのか。
世界最北とまで言われると気になるわ。
気になったんで行ってみました。訪問は2017年3月です。
ムルマンスクへの道のり
ムルマンスクへ行くにはRZDの長距離列車で行けます。予約して乗ればいいだけです。難しい事は有りません。上のリンクからpassangerで検索・予約できます。
モスクワから最短で1日と8時間です。
サンクトペテルブルクから、24時間ほどで行けます。
私はモスクワからЭП1が引く夜行列車でムルマンスクへ向かいました。
ムルマンスクにはいったい何が待っているのか。
これがムルマンスクだ
降りたら駅で警察に職質される
デーン。
まあロシアだからさあ。
周りのロシア人らしい民間人は誰も職質されていませんでしたが、私は外国人なので職質されました。
どこに宿泊するのかを問われました。予約書があるなら提示する必要があります。ムルマンスクの街に来てからホテル決めようというのはあまり賢明ではないかもしれません。
私は朝に夜行で到着しその日の夜行で帰るので、帰りのチケットを見せておきました。
噂で聞いたのだけど、このムルマンスクは不凍港で軍事的に重要だったので昔(いつの昔か分からないけど)外国人は入れなかったらしい…
そういう経緯で今でも一応職質されるのかもしれません。
職質後、北極圏にまで来て写真も撮らずに帰るのもアホらしいので、バチバチ車両を撮っておきました。
規則だから職質しているという感じで、自分がプラットホームでバチバチ写真を撮っても何も問題はありませんでした。
これはムルマンスク駅です。
コミュニスティック(造語)な真っ赤なお星さまが目印です。
ここから街を探検してみます。
まずはこの町で最も目立つ大きな銅像、アリョーシャです。
銅像
アリョーシャさんの銅像というのがあります。ムルマンスク市を代表する銅像です。
Alyosha Monument, Murmansk – Wikipedia
正確には「Defenders of the Soviet Arctic during the Great Patriotic War (ソビエト北極海の守護者 偉大な愛国的な戦争の間の)」というらしい。
けっこうでかいです。
高さは35.5m。
1974年に建てられました。
1941年にドイツがロシアを侵略しようとした際の戦争、第二次世界大戦、その際にムルマンスクを守るために戦った兵士が元になっているとのこと。
機銃がモニュメントの横におまけみたいに置いてあります。
遊園地
遊園地があります。ひょっとしたら世界最北の遊園地かも知れません。
こんな寒いのにちゃんと営業しているのは凄い。
観覧車にとりあえず乗ってみる事にしました。
寒い中、誰も自分以外に遊んでいる子供など居ない遊園地。誰も乗っていない観覧車に乗車。もちろん私が来てから観覧車を動かし始めてました。
ひょっとしたらもっと北の街にも観覧車があるかもしれないので、英語的な濁し方で言うと「One of the northrnmost Ferris wheel – 世界で最も北にある観覧車の一つ」に乗ってみます。
ネクラな男が一人観覧車に乗るのはいかがなものかとも思いますが、
はるばる北極圏まで来て北極圏の観覧車という魅力的なアイテムに乗らないで帰るのもアホなので、とりあえず乗ってみます。
街を高い所から見てみたいですし。
ムルマンスクの街並みが良く見渡せます。なかなか良いアトラクションです。
左上にアリョーシャの銅像が見えます。
めっちゃ遠くに見えますが、ここ観覧車から1kmくらい歩けば付きます。
凍結した湖
凍結した海の上を歩くこともできます。僕は鳥が好きなので近くで見ていました。
先程の観覧車から撮った写真左端に写っているムルマンスク市民は湖上スケートをするのが好きなようです。
ここにはデートスポットみたいなのがあります。インスタ映えするかどうかは僕は知りませんが、カップルで北極圏まで来たら素晴らしい思い出になるに違いないでしょう。
また仮に夫婦仲が険悪な熟年夫婦の場合においても、北極圏まで来ていがみ合うのもアホなので、ムルマンスクに来さえすれば仲良くなれるでしょう。
鳩たちみたいに。
博物館
博物館が何件かあり、そのうちの一つに行ってみました。
ここはMurmanskiy Oblastnoy Krayevedcheskiy Muzey
というところで、ムルマンスク郷土博物館 みたいなものかな。
Главная | Мурманский Областной Краеведческий Музей
自然の動物から出土品から軍事まで様々な展示があります。
中には機銃
ナチぶっとばせのポスター。WW2のですね。
ナチスの侵略から防衛した、戦争の歴史のマップがあります。
この民族博物館は3階まであります。
ちょっと時間が無くて私がとても速く回った結果、「3階まであるんだけど、ちゃんと上まで見た?」って学芸員さんに言われました。よそよそしくなくて人間味があって良いですね。
他にも博物館があります。
Museum of the History of the Murmansk Shipping Company
ムルマンスクの船会社の博物館。
海の街ですからね。こちらは閉館時間になってしまったので行けませんでした。
上記の’船会社の博物館’のすぐ近くに、
RZDの博物館というのもあるらしいので、鉄道狂の人は行ってみてください。
しかしgoogle上で評価が一件もついていないのでちゃんと営業してるか知りません。
レーニン号
ロシア軍の軍艦、レーニン号が港に停泊しています。
ムルマンスク港は、こんなにも北にあるのに不凍港とのこと
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<a class="mw-redirect" title="" href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%96%E6%B5%81">暖流</a>の<a title="北大西洋海流" href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E5%A4%A7%E8%A5%BF%E6%B4%8B%E6%B5%B7%E6%B5%81">北大西洋海流</a>の影響で海は1年を通して凍結することがなく、世界最北の<a title="不凍港" href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E5%87%8D%E6%B8%AF">不凍港</a>の一つ(緯度は<a title="ハンメルフェスト" href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%88">ハンメルフェスト</a>等の方が高い)である。そのため<a title="ソビエト連邦" href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%93%E3%82%A8%E3%83%88%E9%80%A3%E9%82%A6">ソ連</a>時代からの軍港であり、現在も<a title="ロシア海軍" href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E6%B5%B7%E8%BB%8D">海軍</a>の基地を有している。 |
暖流パワーすごいですね。
こいつのすごいところは
世界で最初の原子力船とのこと。「1957年進水、1959年海軍にひきわたされて1989年に引退した」とのこと -地球の歩き方ロシア2014~15より
博物館として営業しており、月曜火曜以外の、12時から16時です。
とりあえずこいつはかっこよかったのでバチバチ写真を撮っておきました。
googleの評価によると☆4.7なので絶対見に行った方が良いです。
時間外で、僕は中を見ることは出来ませんでした。
入館できない悲しみを味わいましたが、北極圏に来てまでイライラする気にはなれないので夕日を浴び黒い船体を輝かすレーニン号をぼけーっと見てました。
海軍博物館
レーニン号がある場所のそばには、海軍博物館もあります。
レーニン号と併わせて行ってみてはいかがでしょうか。
記念撮影できそうなメモリアル看板
地球の歩き方に緯度が書いてある看板があるとのことだったので、行ってみました。
地球の歩き方の地図は嘘です。ザ地球の迷い方笑
下に地図を張っておきました。
緯度が書いてあるモニュメントはラウンドバーンの真ん中に置いてあります。
結構車が来ますが、ン千キロもはるばる北極圏まできて車に遠慮して近づかないのもアホなので適当に歩いていきます。
夏ならちゃんと歩道があると思います。
「A memorial sign at the entrance to the city of Murmansk」メモリアルサイン ムルマンスク市の入り口
というらしい。
1駅隣のKola駅の方がもう近いですね。
路線バスの場合、バスはムルマンスク市街の方から走ってきてウーリッツア コルトヴァ(コルトヴァ通り)の方に曲がっていくので、その辺で適当に降りて400~500m歩く必要があります。
ショッピングセンター
ムルマンスク駅前へ戻ってきました。
駅の目の前を見ると、ありきたりとさえ言えるお店たちがあります。
つーかマクドナルドあるじゃん。
このように、ムルマンスクは北の果てだからといってめっちゃ何もないというわけではなく、案外大都市です。
つまり南稚内がロシアに移動してきたと思えばイメージしやすいかと思います。
ケータイ屋
ケータイ屋もあります。写真は取らなかったけど。
世界最北というので、よっぽど辺鄙なのかと思いましたが、あくまで鉄道で世界最北。鉄道があるだけそれなりに栄えています。結構普通の街ですよ。
何で急にケータイ屋の話をするんだとお思いになられるでしょうが、
僕はこの直前にスマホをぶっこわしてしまい、応急で買いました。
店員は小柄で巨乳でした。
僕は彼女がスマホに保護フィルムを貼るのを眺めていました。
だから、ムルマンスクでケータイをぶっこわしても北極圏だし全く問題ありません。(問題はある)
トロリーバス
トロリーバスはボロいのが走っています。
バスマニアではないので、どういう形式かはわかりませんが、何にしろ古そうでかわいいです。
自動車じゃあないのでナンバー無しですね。
バスのチケットは、中にいる車掌から買います。
今やワンマンバスという概念が消えた日本。なぜならワンマンが普通になったからね。
運賃箱が開発される前は、車掌が載ってるのが昔の「当たり前」だったことを思い出させます。
ディーゼルのバスもあります。
バス内の地図を載せておきます。
①アリョーシャさんのでかい銅像、遊園地、凍結した湖でスケートをする市民をご覧になりたい方はウーリッツア ガガーリンで降りてください。
②駅はこの辺です。
③68度モニュメントは、6番か10番で行ける所まで行って、歩いていきます。
民族博物館、海運会社博物館等は歩いて行ける範囲だと思います。
レーニン号は歩いて行けます。私が行った限り、バスは無さそうです。
道路
そこら辺を歩いていると、面白いアイテムがいくつかあります。
その辺にレーニンが居たり
ラーダが居たりします。
グリル吹き飛んでるし窓なんて購入後一回も洗車してないみたいな感じだしこういう走ればあとはどうでもいいロシアスタイルかっこいいしかわいいし鼻血ふきそう(ヲタクの早口)
ソ連みあふれるおうち
見てください。このやる気のないデザイン。 コピペか?マイクラで再現できそうだな。
こうしたどうでもいい街中のアイテムのいくつかは、自分がソ連(もうロシアだけど)に居る事を再認識させてくれます。
たのしいですね。
駅のキヨスク
ムルマンスク駅のキオスクにロシア人形が売っていました。999Pで、円にしたら1700円くらいしました。
キオスクで売る商品なのかこれは。それとも長い乗車時間、列車で女児が遊べるためのアイテムなのかしら。
人形の間に空白があるのは僕が買ったからです。
ドール好きの知人に是非にと買いましたが、正直彼もいらねーだろうなと思いつつ、いやはや北極圏のドールなら箔が付くと思ってとりあえず買っておきました。
古いSL
駅構内にロシア国鉄あるあるの昔の蒸気機関車が置いてあったので撮影しました。
Новости Октябрьской дороги | Октябрьская ЖД
1951年にヴォロシロフグラードの機械製造工場で建造。 Октябрьской鉄道管理局管内で運行。時速は80k/hだったとのこと。
丁度2016年7月に、2週間をかけて修繕したばかりだったそうで、きれいでした。
おわりに
ムルマンスクは案外大都市です。大都市は言い過ぎか。
博物館は何件もあるし。ショッピングセンターはあるし、デカい銅像はあるし。観光するには飽きない街です。
観光が出来る良い感じの街。それに加えて
北極圏に存在している事。プレミア感。訪れる者を北極圏まで来たし(いい意味で)もうどうでも良い気分にさせる街です。
1生に1度は訪れて損は無いと思います。
自分は朝到着し夜の列車で帰ったので、1日しか回っていません。街自体の大きさ的には、2日くらい見ておいた方がゆっくり回れるし良いと思います。
ぜひ訪れてみてください。
訪問 2017年3月
了